多焦点眼内レンズ

先進医療とは

 

多焦点眼内レンズ

finevision 2 - 多焦点眼内レンズ

通常行われている白内障手術では、濁った水晶体を取り除いたあと視力補正のために水晶体の代用として眼球後房に後房レンズを挿入します。多焦点眼内レンズは、無水晶体眼の視力補正のために水晶体の代用として眼球後房に挿入される後房レンズである点では、従来の単焦点眼内レンズと変わりはありません。

通常行われている白内障手術では、濁った水晶体を取り除いたあと単焦点眼内レンズを挿入します。しかし、単焦点眼内レンズはある1点にピントが合うレンズです。

例えば、遠くにピントを合わせたら、近くを見る時は老眼鏡が必要になります。反対に、多焦点レンズは遠くのものも近くのものも両方見ることができ、メガネを使用することなく日常生活を送ることができる非常に便利な眼内レンズです。

 

ピントが合う距離が複数あるので、眼鏡に依存する頻度をかなり減らすことができます。そのため眼鏡のかけはずしの煩わしさを解消することが可能です。

多焦点眼内レンズは若い頃の見え方のように、眼鏡なしですべての距離に正確にピントを合わせられるわけではありませんが、おおむねどの距離にもピントを合わせることができます。 職業柄、コンタクトレンズや眼鏡の装用ができない、眼鏡をかける頻度や本数を減らしたい方にはお勧めです。

 

また、多焦点レンズは先進医療のため、厚生労働省の認定を受けた眼科でしか使用することができません。 当院は、先進医療を行う施設として厚生労働省の認定を受けています。

眼内レンズの種類と見え方の違い

img multi 768x285 - 多焦点眼内レンズ

 

眼内レンズには「単焦点眼内レンズ」と「多焦点眼内レンズ」の2種類があります。 単焦点眼内レンズは、ピントが合っている際ははっきりと見えますが、それ以外の距離にはピントが合わないので、手元も遠くもくっきり見えるわけではありません。

単焦点眼内レンズを用いても手術前に比べれば大幅な改善が得られますが、近くは綺麗に見えるが、遠くは綺麗に見えない。遠くは綺麗に見えるが近くは綺麗に見えないなど、どちらか一方がはっきりと見えるという特徴があります。手術時に遠くにピントを合わせた場合には、手元を見る場合には近用眼鏡が必要になります。

 

それに比べ、多焦点眼内レンズは単焦点レンズとは違い、遠距離・中間距離・近距離など複数の位置に焦点が合います。よって遠くの景色にも近くのメモにもピントが合うようになります。但し、多焦点眼内レンズを挿入しても、すべての視界が鮮明に 見えるという訳ではありません。

日中は眼鏡を着用しなくてもいい程度にすべての視界が満遍なく見えるというのが特徴です。人によっては若い頃の自然な見え方とは異なり不自然さを感じることもあります。そのためライフスタイルによって自分に合うレンズはどちらなのかを選ぶことが大切です。

 

当院で使用している多焦点眼内レンズ

PhysIOL社 FINE VISION -ファインビジョン- (3焦点眼内レンズ)

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PhysIOL社製(ベルギー)から2011年に販売された、遠見、近見(35cm)以外に、中間距離(65cm)も焦点を持つ3焦点レンズです。このレンズは乱視矯正をすることも可能です。

原理は、遠方と近方に焦点を持つレンズ、遠方と中間距離に焦点を持つレンズを組み合わせて、3焦点を満遍なく見られるという構造です。中間距離にもピントが合うことで、パソコン作業中にメガネが不要になり、お買い物中に値札が見えやすい、ゴルフやテニスなどの一般のスポーツも快適にできるようになりました。

 

材質は親水性アクリル、有害なブルーライトと紫外線をカットする黄色の着色レンズです。複雑な形状のように思われますが、回折型多焦点眼内レンズのうちで光学的エネルギーのロスが一番少なく、コントラスト感度の低下も軽度です。瞳孔の影響を受けにくいレンズで、夜間のグレア、ハローもほとんどでないため、夜間運転も安心して行えます。 多焦点眼内レンズの中で最も高性能で、合併症も少ない世界最高水準のレンズといわれています。

 

AMO社 TECNIS Symfony テクニスシンフォニー (3焦点眼内レンズ)

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AMO社(アメリカ)から2017年に国内発売された最新型の多焦点眼内レンズ(通称:シンフォニー)です。焦点拡張型(Extended Depth of Focus:EDOF)と呼ばれるタイプの多焦点眼内レンズです。

アクリル製のこの眼内レンズの特徴は、色収差を補正することで従来の回折型多焦点眼内レンズに比べて、コントラスト感度の低下を軽減し、レンズ光学部の回折溝の形状、間隔、高さなどを最適化することで焦点深度(ピントの合う幅)を拡張しています。 したがって、遠方から中間距離までの見え方がより自然で、コントラスト感度の低下が少なく、従来の回折型多焦点眼内レンズよりグレア・ハローを軽減できるため、デスクワーク中心のお仕事や夜間運転の頻度の高い方には適応しやすいレンズです。

 

一方、近方視がやや弱いので、読書が趣味など近方を重視される方には適応しにくい可能性はあります。 このレンズの登場で、これまで夜間運転やコントラスト感度が問題視された多焦点眼内レンズが、より多くの患者様のニーズに合ったレンズを選択いただけるようになりました。

 

多焦点眼内レンズのメリットとデメリット

多焦点眼内レンズのメリット

  • ・多焦点眼内レンズは、光の性質を利用し、遠く・中間・近くの3ヶ所に焦点が合うように設計されているため、 近視・遠視・乱視と老眼が同時に矯正可能です。 近くの見え方の目安は、新聞やメニュー、値札ほどの大きさの文字が、裸眼で読めるようになる度合いです。
  • ・その他、EDOF(Extended Depth of Focus) と呼ばれる最新の多焦点眼内レンズは、焦点深度を深くするという新しい構造で、 従来のレンズよりさらに自然な見え方になっていて違和感がほとんどありません。
  • ・メガネを着用する機会が手術前よりグンと減ります。 ・乱視矯正にも対応しています。

 

多焦点眼内レンズのデメリット

  • ・近方、遠方のどちらかが特化して見えるようにはなりません。
  • ・保険適用でなく自由診療であるため、費用が単焦点レンズよりも高額です。
  • ・単焦点眼内レンズよりやや暗く感じます。
  • ・コントラスト感度(光の明暗)が落ちる場合があります。
  • ・レンズの種類によって夜間は街灯や車のライトがまぶしかったり、にじんで見えることがあります(日常生活に影響しない程度)。

単焦点眼内レンズのメリットとデメリット

単焦点眼内レンズのメリット

  • ・保険診療の範囲で手術が受けられる為、費用が抑えられます。
  • ・遠方・近方のどちらかははっきりと視界が見えるようになります。
  • ・デスクワークの多い方、手芸など手元で行う細かい作業が好きな方、読書が好きな方は近くにピントを合わせることで、手元がしっかりと見えるようになります。
  • ・日常的に運転をされる方、ゴルフなどが好きな方は遠くにピントを合わせることで、仕事や趣味を支障なく行うことができます。

 

単焦点眼内レンズのデメリット

  • ・どちらか一方にしかピントが合わせられない為、手術後もメガネの着用が必要になる機会が多いです。
  • ・メガネ無しでテレビは見えますが、新聞の文字などは読めません。本や新聞を読む時にはメガネが必要となります。

 

多焦点眼内レンズの術後のリスクについて

グレア・ハロー現象

多焦点眼内レンズは、レンズの構造上、暗いところ(夜間)で強い光源を見た場合に、通常の眼内レンズに比べてグレア(光が長く伸びてまぶしく見えること)やハロー(光の周辺に輪がかかってみえること)が起きやすくなります。 その為、夜間の運転に支障が出る場合がございます。

手術後の眼鏡の必要性

人によっては手術を受けられても眼鏡がまったく必要にならなくなるわけではありません。細かい字を読む時や、長時間細かい作業をするとき、多焦点眼内レンズに慣れるまでの間は眼鏡を使った方が楽なこともあります。

見え方

目の中に入ってくる光を2焦点以上に分けるため、テレビなどの映像のシャープさや、日常生活で感じる色合いの濃淡は落ちます。同時に個人差により、様々に入ってくる遠くと近くの映像のぼけている方を無視できるようになるまでに時間がかかることもあります。

照度の問題

手術を受けて間もない頃は、明るさに対して違和感を感じることも少なくありません。 暗いところで光を見た時に、まぶしいと感じたり、滲んで見えたり、ぼやけて見えることが稀にあります。

 

多焦点眼内レンズに関するご質問

多焦点眼内レンズはどの眼科でも扱っていますか?

いいえ。多焦点眼内レンズは先進医療ですので、どの眼科でも取り扱っているわけではありません。厚生労働省が認定した施設でのみ扱うことができます。

 

多焦点眼内レンズと単焦点眼内レンズの違いは簡単にいうとどのようなところですか?

単焦点眼内レンズはピントが合う距離が1つであるが、通常の保険適応の白内障手術で受けられるレンズです。 多焦点レンズはピントが合う距離が2つ以上あるが、自由診療が(保険適応外)主な白内障手術です。 多焦点レンズは主に遠くと近く、遠くと中間、の二か所にピントが合うものがあり、3か所(近く、中間、遠く)に ピントが合うものもあります。

先進医療に用いられるものは国の認定を受けたものだけで、現在3焦点のものは自由診療になります。 多焦点には様々なタイプのものがあり、レンズによって利点と欠点があります。 問診で術後にどんな見え方になりたいかを聞き、よつば眼科では患者様に最適と思われるレンズの組み合わせを提案します。

 

多焦点眼内レンズは誰にでも入れられますか?

白内障手術を受けられる際、すでに進んだ白内障以外の眼の病気がある場合は多少点眼内レンズをお勧めしません。また、仕事やライフスタイルの事情で一部がくっきりはっきり細かくみたいなどという方にもお勧めはしません。患者様の見え方に対するご希望により、単焦点眼内レンズをお勧めすることもあります。

 

片方の目はすでに白内障が進行していて、単焦点眼内レンズによる白内障手術を受けましたが、最近になってもう片方の目の白内障も進行していると言われました。片目だけでも多焦点眼内レンズを挿入できますか?

検査の結果によっては入れることは可能です。しかし、この先どのような見え方を期待してのか、ご希望をまずしっかり伺い、最適と思われるものをご説明します。

正直、片目だけでは期待している見え方に対して効果が薄いこともあり、ここは眼鏡があった方がいいけど、こういう場面では見え方が多少は変わるというようにご提案することもありますし、自由診療で単焦点の上に多焦点のレンズを提案することもあります。

 

多焦点眼内レンズを着用することにより、手術後に確実にメガネが不要になりますか?

確実にメガネが不要になるとは言い切れません。眼鏡に頼る頻度が少なくなるレンズ、と考えてください。患者様の状況により、実際に眼鏡をほぼ使わない方もいらっしゃいますが、手術を受けられた方でも場合によっては眼鏡を使っています。

暗いところでは近くのものが見づらくなることもあり、その場合はライトで明るさを増すか、老眼鏡を使ってくださいとお話ししています。また、高齢になると瞳孔の大きさが小さくなるため、多焦点の効果が減る、もしくは加齢により乱視が強くなり乱視のメガネが 必要になることがあります。

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